手軽に多彩な表現ができちゃう優秀パーカッション!ハンドクラップ

誰しも人生一度ならず、誰かから拍手を送ってもらったことがあると思います。心のこもった拍手には、人を元気にさせるパワーがあるそうです。
恥ずかしがり屋さんならば、人前でなにかを発表し、他人から「拍手をもらう」なんて考えただけで、顔から火を噴く心持ちかも知れません。
私は市民団体の方々とご一緒する機会があるのですが、大小関わらずステージに立ち、拍手喝采の渦の中に身を置いた人は、そのときはどんなに「恥ずかしい」と顔を真っ赤に染めながら、必ずと言っていいほど、次の機会にはまた、その場に戻ってくるのです。
たとえ緊張で手足がガクガク打ち震えたとしても、大勢の人から拍手をもらうというのは、ほかでは得難い貴重で特別な体験です。心が満たされ、元気が出ないはずがありません。
この拍手、ステージにいる人に、感謝や賞賛を伝えようとするときは、それぞれが自身の熱量を込めながらランダムに打ち鳴らしますが、これを、ある規則性のもとに統制をとってしてみると、…あら不思議! たちまち音楽に早変わりするのです。
これがハンドクラップ(手拍子)です。大勢でも行うことのできる大規模な手あそび、と言い換えてもよいかもしれません。
子ども向けのステージなどで子どもたちの集中力を高めるため、司会進行役の人がやるものに、「大きな拍手・小さな拍手」というのがあります。
元気な声で、「はい大きな拍手!」と告げたあと、ころあいをはかりながら、今度は声を顰めて「小さな拍手」というと、会場の子どもたちは指示に従いながら、夢中で手を叩きます。
中には指示に従わないあまのじゃくさんがいたとしても、そこはご愛敬。目くじらたてず、温かく見守りましょう。
ただ、強く、弱く、手拍子をするだけでも相当な盛り上がりですが、ここにリズムを加えます。応援団がやる三・三・七拍子や、ディスコ映画でお馴染みの二・三・四・二拍子のようなものをやると、心がウキウキしてくるのが分かるでしょう。
誰かがズレた音を出せば、それはそれで愉快で面白いものですし、会場のみんながひとつになってすべての音が揃ったと思えたときの感動は言わずもがなです。
次のステップでは、集まった仲間たちが輪になって、ハンドクラップで四拍子のバリエーションを叩いていきます。
即興でなく、最初は自分の打ち方をどうしようかと考えながら、順番ごとに一回一回止まってしまってもまったく構いません。なにも考えつかなかったら、あえて、他の人と同じ打ち方をしてみてもよいのです。
一週回って全員の叩き方が決まったら、進行役の合図に従って、今度は間髪入れず、四拍子の音楽を意識しながら順番に叩き合っていきます。
慣れてきたら、進行役はランダムに叩き手を指名し、次々に叩かせていきます。次第に熱が高まっていき、ものすごく白熱したセッションが繰り広げられること請け合いです。
終わりの合図をあらかじめ決めておいて、最後はみんなでハンドクラップを揃えるようにすると、得も言われぬカタルシスが生まれてきます。
楽譜が読めなくても、音痴でも、ましてなんの楽器も演奏できなくても。2つの手さえあれば、子どもから大人まで、カッコイイ音楽がつくれちゃう。
ハンドクラップって手軽に多彩な表現が楽しめる、原始的だけど実に優秀なパーカッション(打楽器)なんですよ!