単純にしてじつは奧が深いロングセラー手あそび「いっせーのーせ!」

「せっせっせーのよいよいよい」のかけ声ではじまる手あそびは、主にふたりあそび前提のものだと思われますが、つぎにご紹介する「いっせーのせ!」は複数単位で遊べるすぐれもの。

じゃんけんあそびに興じる子どもをよく公共機関で見かけるというエピソードをお伝えしましたが、この「いっせーのせ!」もあそんでいる子どもをよく見ます。

やりかたはいたってカンタン。「いっせーのせ!」の「せ!」のタイミングで、ヒッチハイクするときの要領で親指をつきだす、あるいはつきださない。つまり3通りのやり方があります。片方の指だけ突き出す。両方の指を突き出す。どちらの指も突き出さない。

「せ!」のタイミングで、親が回って来た人は、数を言います。

片方の指だけだと1、両方だと2、指をたてていなければ0。それが両手分ありますから、ひとりの持ち点は0〜4、×人数分。トータル数を推測して、告げるのです。3人で遊んでいたとしたら、数の可能性は、0〜12。その中の数字をひとつ挙げる。

ズバリ、大当たりだと手が一本だけになる。2回大当たりすれば両手を場から抜くことになって勝ち抜け、となります。

自分の指を出しながら、全体の数を推測するのですから、ちょっとした脳トレが必要となります。自分が日本とも指を立てているのに0ということはあり得ないし、全体数を考えて、自分が指を挙げていないと成立しないトータル数のこともある。

ちょっとした数学力も必要なので、こうした手あそびのメイン層である、年長組から小学校中学年くらいまでだけでなく、小学校高学年から中学生くらいの大きな子どもたちが夢中でやっているのを見かけるときもあります

もちろん、もっと小さな子どもが「いっせーのせ!」で遊べないわけではありません。地域ごとにローカルルールのようなものも存在し、それが、数学的な判断が難しく、勝ち抜けしづらい小さな子どもたちの救済策になっていたりするのが、微笑ましいな、と感じます。

「いっせーのせ!」は単純にしてじつに奧のふかいあそびなのです。

「いっせーのせ!」のように、複数でもあそべて勝敗の決められる遊びをほかにもご紹介したいと思います。

ひとつめが、「おせんべやけたかな」。まず、全員分の手を並べて「お・せ・ん・べ・や・け・た・か・な」という音の順に、ひとつひとつの手に触れて、最後の「な」にあたった人の手が「やけた」ことになってひっくり返ります。両面ともやけた手は抜ける。2本とも手が抜けたら勝ち抜け、となります。

もうひとつは、「ずいずいずっころばし」。こちらは勝ち抜け方式ではなく、うたの最後の音にあたってしまった人が罰ゲームを受けるというあそびです。罰ゲームはくすぐりっことかたわいのないものであることが多いようです。

二回ほど、歌詞の途中でうたの止まるところがあって、そこで自分があたったか?とヒヤヒヤするひとが出るのがお約束となっています。